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| 情報提供日/2006年12月26日 |
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| --2006年前半の金融緩和政策の転換を受けて、今後、金利が上がると予測する声が強まっていますが、年後半の動きを見ていると、明らかに上がっているとはいえません。この状況をどうご覧になっていますか。 |
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| 角川氏 金利が上がる必要条件は揃っています。第1に、景気が良くなっていること。高度経済成長期の“いざなぎ景気”を超えて戦後最長となった景気拡大というニュースが端的に表していますね。第2に、物価上昇の原因となる国際的な一次産品の価格が上がっていること。原油、セメントや鉄鉱石、穀物、金など、いずれも上昇傾向です。3番目は、景気の順調な回復を背景にした株価の上昇。この3つのマクロ的な要素が、すべて金利が上がる条件になっているわけです。 |
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| しかも日本の置かれている状況は史上最低の超低金利です。中程度の金利水準から上がるのではなく、既に最低ラインにあるわけですから、上がるか下がるかといえば、もう上がるしかない状況といえます。これらの材料が、揃って金利上昇を示唆するような状況に流れてきたわけです。今までの社会・経済構造の常識から判断する限りにおいては、当然ながら上がってしかるべきだろうと判断する。 |
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それにもかかわらず現実を見ると、短期の政策金利は上がっているのですが、住宅ローンの金利に影響を与える中長期金利は上がっていません。
どうやら、明らかに今までの構造とは違う局面が現れてきたという感じを受けますね。 |
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| --構造的な変化というのは、どういうことでしょうか。 |
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| 角川氏 おおまかに2つ考えられます。1つは、一次産品の価格と製品価格との関係の変化です。従来は、原油価格が10%上がれば、それを原料とするような周辺の製品価格も5〜6%は上がるといった連動性を持っていました。第1次・第2次オイルショックの時は、狂乱物価といわれるようなインフレでしたね。 |
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ところが今回、二〇〇三年から原油価格が、オイルショック時と同様に3〜4倍になっていますが、周りの製品価格が上がっていません。その要因は、中国やインドという“大国”の台頭です。中国は13億人、インドは10億人という人口を抱え、2国で世界人口の3分の1以上を占める。これらの国に続くアジア諸国が、低廉な労働力を背景にして作った製品を世界中に大量に供給し始めた。 |
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| つまり、一次産品の価格上昇の影響を打ち消すに足る、いやそれ以上に強力なファクター、新しい生産システムが急激にできてきたため、製品価格が上がらなくなったということです。 |
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| ――するとインフレ懸念がなくなるので、金利上昇圧力が弱まるということですね。 |
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| --もう1つの構造変化というのは? |
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角川氏 あまり他では指摘されないことですが、かつてないほどの長期間に渡って超低金利政策を取ってきたために、法人企業全体として資金が余剰気味になっていることです。金利というのは、基本的にお金を貸したい側(金融機関など)と借りる側(個人や法人)との需給バランスで決まりますね。借りる側の需要が減れば、金利は上がりにくくなるわけです。
経済の発展途上にある段階では、企業はだいたい資金不足なんです。そこで、家計が余ったお金を貯蓄して、金融機関がそれをお金の足りない企業に貸し、資金を供給するとうい図式でした。 |
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ところが現在は、家計と企業の置かれた立場が逆転しているのです。家計の実質的な所得はここ10年近くマイナスの状態。しかも金利が低いので利息もほとんどないため、家計は窮迫の度を増している。片や、企業はゼロに近い金利で非常にコストの低い資金を大量に使えたので、企業の金融収支が改善した。自分で自由に使える流動性の高い資金を潤沢に持っているので、(金融機関などから)新たに資金を調達する必要がない。
その結果、企業の資金需要が極端に落ち込んでいるのです。しかも、企業はだぶついた資金を運用するために債券に投資する。これも金利が低下するほうに作用しますね。 |
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| 米国も同様に法人企業全体として見れば、ここ3年くらいは金余りです。また、石油価格の高騰で、産油国が余剰資金を大量に手に入れ、それを米国債に投資する。すべてが中長期金利の低下要因です。このように世界的に見て、中長期金利は頭が抑えられている状態といえます。このような構造は、歴史上おそらく初めてではないでしょうか。(Part2へつづく) |
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| ※イラスト:パイナップル遠藤 |
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