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インタビュー 高田晶子氏3
繰り上げ返済の間違った常識にご注意!
  高田氏  
【プロフィール】
高田晶子(たかだ あきこ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、宅地建物取引主任者。信託銀行で不動産業務に従事、不動産コンサルティング会社を経て、1996年に独立。(有)ケー・アンド・エム コンサルティング代表取締役に。さらに一人ひとりの生活や夢を「お金」の面からサポートすることにより「心豊かな暮らし(心のWealth)のお手伝いをしたい」を信条に、女性ファイナンシャル・プランナー3人で『マネーカウンセリングネットWealth』を2001年に設立。マネーカウンセリングネットWealthの著書に『「住宅ローン」賢い人はこう借りる!』(PHP研究所)などがある。
<マネーカウンセリングネットWealthホームページ>
http://www.mc-wealth.com
  『住宅ローン賢い人はこう借りる!』(PHP研究所)
 
ファイナンシャル・プランナーの高田晶子さんへのインタビュー、第3弾(最終回)です。最近は、繰り上げ返済のメリットが強調される傾向にありますが、よく考えないで実行すると大変。ローンを返し始めてからの注意点を伺いました。
繰り上げ返済も、やりすぎると火傷をする
--購入後のローン返済について気になることはありますか?
高田氏 繰り上げ返済に躍起になっている方が多いのが気になります。ある方から、「繰り上げ返済しなければという強迫観念があったが、(著書で)繰り上げ返済は急がなくていいと読んでラクになった」、というメールも頂きました。

 住宅ローンは収入がある間に完済しなければいけないので、定年以降も返済が残る方は、どこかの段階で繰り上げ返済が必要です。ということは、言い方を変えれば、『収入があるうちに返し終わればいい』のです。生活を切り詰め、焦って無理に繰り上げ返済する必要はありません。十分な貯蓄ができ、手持ち資金が減っても大丈夫、というタイミングで繰り上げ返済すればいいのであって、生活を楽しむことも大切です。

 金利が上がれば有利な貯蓄商品も出てきて、運用したほうが有利という場面もあるでしょう。ローン金利を3%以下で固定できているのであれば、急いで返さなくてもいいと思います。
  高田氏
--繰り上げ返済は早く行なうほど、利息の軽減効果が大きいので、早めに実行したほうが有利では?
高田氏 今年するのと10年後にするのとでは、利息の軽減効果がいくら違うか、その差額をどう判断するかです。たとえば15万円違うとして、年間にすれば1万5000円程度の差ですよね。
 日本人は手数料や利息を払うことを嫌う傾向がありますが、ある程度の利息については、お金が手元にあるという安心感を得るための保険料、気持ちを楽にするための料金、という感覚で捉えればいいと思います。
長く借りて、余裕のある時期に繰り上げ返済するのがコツ
--繰り上げ返済を早くしたほうがいいケースはありますか。
高田氏 たとえば6年目以降に教育費がかさむようになる、というケースでは、6年目以降は余裕がないので、最初の5年間で効率的に繰り上げ返済する必要があります。
 ここで大切なのは、返済期間を長く組んでおくこと。家計がラクな当初5年間は繰り上げ返済でたくさん返済しますが、期間が長い分、毎回の返済額が抑えられるため、6年目以降も苦しくならないなど、家計状況に合わせたコントロールができます。
 借入額は定年までの年数で検討すべきですが、教育費負担の増加など、返済が大変な時期を乗り越えるためには、なるべく長期で借りて余裕のある時期に繰り上げ返済する。これが私のお勧めするプランです。


--どうしても、早く返し終えたいと考えがちです。
高田氏 返済期間を短く組むと、家計が苦しい時期に耐え切れない恐れがあります。また繰り上げ返済で期間短縮したために借り換えができない、という事例もたくさん見ています。
図1.25年で完済するには、どっちがおトク?「短く借りるVS長く借りて短く返す」
 借り換えをする場合、借り換え後の返済期間は最長でも元のローンの残存期間と同じ年数にしかならないため、返済期間を短くしすぎると、年収面などで厳しくなることがあります(※)。
 ※繰り上げ返済による期間短縮で残存期間が短くなると、残存期間=借り換え後の返済期間で計算した毎月返済額が、借り換え前より大きくなってしまう可能性があるため。
 3年前の運用方法としては繰り上げ返済が最も効率的だったかもしれませんが、それ以降、住宅ローンが多様になった結果、借り換えが有効になるケースが増えてきています。どうしても早い時期に繰り上げ返済をしたいという場合や、定年までに完済できそうだけれどさらに繰り上げ返済したいという場合は、借り換えの可能性も考えて返済額軽減型にしておいたほうがいいと思います。
家計全体から住宅ローンを考える
--実際の相談の場面では、繰り上げ返済なども含めた資金プランをどのように提案されるのですか。
高田氏 ご相談は面談を原則にしていますので、地方にお住まいの方には対応できないのが辛いところです。電話やメールなどでの相談を受け付けているところもありますので、そういったところを利用し、複数に相談してみるとよいでしょう。

 一般的には1時間半から2時間程度の面談で、それ以上はお互いに集中力が保ちにくくなります。ある程度の知識や御自分の意見を持って相談に来ていただくと効率的ですね。相談者の方が話す時間を長くとれるほど、性格や価値観を知ることができ、それを踏まえたアドバイスができます。
  高田氏

 私たちの住宅ローン相談では、勤務先や勤続年数、収入、その他の借入、物件情報などを記入して頂く質問シートをお送りし、これをもとに、借りられるローンを選別しておくなど、より実践的にしている点が特徴です。複数の金利タイプについて返済額などの比較表ほか、固定金利選択型などでは金利が上昇した場合の試算も行ないます。

 予算決めの段階でキャッシュフロー作成(別途費用)と併せてご利用いただければ、長期的な視野に立った予算の検討ができて理想的ですし、ここで繰り上げ返済ができそうだとか、先々に大きな支出があるからここではしてはいけないといったことが見え、より綿密な返済計画が立てられます。
 住宅ローンは家計の一部であって、全体を考える必要があるのです。
 
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