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インタビュー【川北英貴氏】2

 

住宅ローン審査の知られざる実態PART2

 
「クレジットカードをたくさん持っていると、審査が厳しくなる」ってホント? 住宅ローンの審査について、前回に引き続き、銀行の融資実務を長く担当していた住宅ローンコンサルタント、川北氏に伺います。
  川北英貴氏  
川北英貴(かわきたひでき)
【プロフィール】
住宅ローンコンサルタント。(株)フィナンシャル・インスティチュート代表取締役。1974年愛知県生まれ。早稲田大学卒業後、97年地方銀行入行、主に住宅ローン・法人融資を手がける。退社後04年10月に大阪市にて現会社を設立。銀行勤務の経験から、住宅ローンの審査を通りやすくするノウハウやローンの組み方のアドバイスを手がける。また、住宅ローン審査をテーマにしたものでは、おそらく日本初となるメールマガジン「住宅ローンを組みたい人のためのメールマガジン」(http://www.mag2.com/m/0000145113.htm)を発行、住宅ローン希望者向けに、情報提供を行っている。
 
 
ローン返済率で返済能力をチェックされる
川北英貴氏   --前回は民間金融機関の住宅ローンの審査が通るかどうかについて伺いました。では、次にいくら借りられるかのポイントは?
川北 年収のレベルに応じた“ローン返済率”でチェックされます。これはローンの年間返済額の合計金額が税込み年収に占める割合のことです。
 たとえば年間の返済額が120万円。年収600万円でしたら20%ですね。金融機関によってローン返済率の設定は違いますが、300万円未満は25%以内、400万円未満は30%以内というように、年収が低いほどローン返済率も厳しくなっています(コラム1参照)。
 
--ローン返済率を計算する際の金利水準は?
川北 現在は、最初に融資する際の設定金利で計算することが多いんじゃないでしょうか。低い金利で計算したほうが、たくさん融資できますからね。ただ、なかには金利が上がった時でも対応できるかどうかを判断するために、最初の設定金利ではなくて、少し高めの4%程度とか、固定金利選択型の10年モノの金利水準を基準に計算している金融機関もあります。
  コラム1.ローン返済率
 
カードローンは個人信用情報で調査される
--自分でローン返済率を基に計算した場合より、融資額が少なくなることもあると聞きましたが、なぜですか?
川北 ローン返済率というのは、住宅ローンの返済額だけではなくて、その他の借入金もすべて含めた金額をベースに計算するからでしょう。よくあるのは、自動車ローンを借りていて月々2〜3万円支払っているとか。カードローンも意外に盲点になります。

--クレジットカードのキャッシングですか?
川北 いえ、カードローンというのは、50万円とか年収の10%までというような一定の利用限度額の枠内なら、ATMなどでカードを使って自由に借り入れや返済ができるものです。いわゆる消費者金融系カードローンとかよくありますよね。これは、実際に借りていなくても、カードを持っているだけで、その利用限度額の一定割合、たとえば5%相当額を返済しているとカウントされてしまいます。クレジットカードのキャッシング枠も、カードローンと同じような扱いになるようです。
 
--クレジットカードなんて、気づかないうちに何枚も溜まってたりしますよね。
川北 クレジットカードは、継続して持っていると知らぬ間にキャッシング枠が広がっていたりしますから、意外に影響が大きくなっていることがあります。不要なクレジットカードは持たないほうがいいでしょうね。また住宅ローンを借りるなら、安易にキャッシングもしないこと。借りていたら早めに返済しておくこと。カードローンはすべて解約したほうが賢明です。

--住宅ローンの申し込みの際に、どこのカードローンがあるかまで記載するんですか。過去に契約して、借りていないで、そのまま忘れていることもあるかもしれません。
川北 わかる範囲で自己申告するんですが、同時に銀行のほうで個人信用情報を取りますから、そこでわかってしまうんですよ。
  川北英貴氏
 
--個人信用情報というのは?
川北 クレジットやローンに関する取引の記録です。利用残高や支払い状況の他に、延滞などの事故情報もあります。銀行や保証会社が加盟している個人信用情報機関があって、そこから情報を取るんです。自動車ローンやまともな銀行系の借り入れならいいんですが、いわゆるサラ金系で借りていると、審査の評価としてはかなり低くなりますね。
 
コラム2.個人信用情報機関って何?
川北英貴氏  ローンやクレジットに関する取引の記録などの個人信用情報が5年間登録されている。延滞などの事故情報は発生日から5年間。自分の個人情報がどんな内容で登録されているか、各機関に照会することができる。気になる人は問い合わせてみよう。
機関名 特徴・系列
全国銀行個人信用情報センター
http://www.zenginkyo.or.jp/pcic/index.html
銀行協会系
シー・アイー・シー(CIC)
http://www.cic.co.jp/
クレジット・信販系
全国信用情報センター連合会
http://www.fcbj.jp/
消費者金融系
シーシービー(CCB)
http://www.ccbinc.co.jp/index.html
外資・独立系
 
家計のホームドクター“かかりつけFP”を持とう!
--職業や支払能力を含めて銀行のきちんとした審査を受けても、返済が苦しくなったり、破綻してしまう人がいるのはどうしてなんでしょう?
川北 銀行が審査するのは表に出ている情報の範囲ですからね。その人の生活実態まではわかりません。たとえば自分の年収でローン返済率が40%以内だったとしても、最大の40%まで借りてしまっていいのかどうか。収入と支出とのバランス、生涯設計を考えて借りるべきでしょう。
 
川北英貴氏   --借り入れた後に、ローン破綻を防ぐためのポイントはありますか?
川北 そうですね、借りる時だけでなく、借りた後も1年ごとにライフプランを見直しながら返済していくことが大切です。最初は、なるべく長めの返済期間で借りて返済額を抑え、余裕があるときに繰り上げ返済することを勧めていますが、むやみに繰り上げ返済すればいいわけではありません。今は手持ちのキャッシュがあるけれど、数年後に教育費がかさみそうなら、繰り上げ返済は控えたほうがいい。
 ただ、自分でコントロールするのは難しいかもしれませんから、ファイナンシャルプランナー(FP)などの専門家に相談するといいんじゃないでしょうか。年1回、1万円払ったとしても、アドバイスを受けたことのメリットで十分ペイできるはずです。
 
--定期的に相談するのが有効なんですね?
川北 ええ、定期的に頼むと同時に、何か突発的な支出があったときに、いつでも相談できる専門家がいるといいですね。健康のために定期検診を受けて、かかりつけの医者に診察してもらうみたいに、個人でも“かかりつけのFP”というか、家計のホームドクターを持つといいのではないでしょうか。
 
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