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マイホームの税金・基礎編。買うとき何がかかる? その2
マイホームを買うときの税金、パート2です。前回は、どんな税金がかかるかを紹介しました。今回は、買うときの税金に関わる軽減措置や特例について説明しましょう。
【十文字良二】十文字会計鑑定事務所、税理士・不動産鑑定士
情報提供日/2008年4月23日
登録免許税と不動産取得税の軽減措置の内容は?
十文字先生

 買うときにかかる税金のうち、マイホームに関する軽減措置があるのは、登録免許税と不動産取得税の2つ。
 登録免許税は、新築の場合の保存登記が0.4%から0.15%へ、中古の場合の移転登記が2.0%から0.3%へ、建物の税率が大幅に軽減されます。適用条件は、建物の床面積(登記簿面積)が50平米以上あること。中古住宅の場合は、後述する不動産取得税と同様の条件が加わります。

 やや煩雑になるのが、不動産取得税の軽減措置です。2009年3月末までに取得した住宅の土地・建物の場合は、税率が4%から3%に軽減されると前回説明しました。さらに、一定の条件に合う住宅の場合は、課税標準から図1のような控除額を差し引くことができるのです。

 土地については少し複雑な計算式に見えますが、次のように考えて構いません。要は、土地面積が200平米以内で、建物の床面積の2倍以内に収まるような一般的な住宅敷地では、土地の課税標準を控除額が上回ることが多いため、税額はゼロになります。
 土地面積が非常に広い場合や、逆に建物の床面積がかなり狭い場合などに控除額が小さくなり、税額がプラスになるケースが出てきます。

図1.不動産取得税の軽減措置

 建物については、新築の場合は1200万円という大きな控除額が適用されますので、よほど大型の住戸や高級な設備仕様の住宅でなければ、課税標準がゼロになるケースが多いでしょう。課税標準には、実際の売買価格や建築費ではなく、固定資産税評価額が使われます。評価額の一つの目安としては、木造一戸建てなら1平米当たり7万7000円、鉄筋コンクリート造のマンションなら同じく10万4000円(法務局の新築建物価格認定基準表)。ここから逆算すれば、一般的な設備仕様で、一戸建てなら155平米以下、マンションなら115平米以下の床面積の場合に、課税標準はゼロになり、課税されません。
 中古の場合は、築年によって控除額が変わりますので、古い建物の場合は課税される可能性が出てくるでしょう。

 不動産取得税の軽減措置が適用される条件は図1の一番下をご覧下さい。登録免許税では、床面積の上限はありませんでしたが、こちらは240平米以下という条件があります。また、マンションの場合の床面積の数え方が違うことに注意してください。
 登録免許税は、登記簿に記載された内法面積。不動産取得税は、共用廊下やエントランスなどの共用部分の面積を専有面積割合で按分した部分を加えた面積が基準となります。

住宅ローン控除は「10年もの」と「15年もの」の選択制

 ここまでは、マイホームを買ったときに必ず関係する税金でした。この他に、ある条件に合う場合は、「住宅ローン控除」や「相続時精算課税制度」のような特例が利用できます。

図2.住宅ローン控除の控除期間と控除率

 まず「住宅ローン控除」は、住宅ローンを利用して購入した場合に、借入残高の一定割合が所得税から控除されるというもの(図2参照)。計算の対象になる借入残高は2000万円が上限となっています(2008年以降に入居した場合)。
 控除期間は10年と15年のいずれかを選べます。最終的な総控除額は、どちらも160万円と変わりません。期間の短い10年のほうが年間の控除額が大きくなるため、所得税を多めに支払っている人は、こちらを選ぶほうが有利になりやすいでしょう。

 適用条件にも注意してください。
 まず「購入後6カ月以内に入居し、引き続き住んでいる」こと。もし、購入して半年以内に入居しても、年末までに転勤などで住まなくなってしまった場合は、住宅ローン控除を受けられなくなります。単身赴任で家族が生活の本拠として住み続けている場合は、適用可能。また、翌年以降に転勤した場合は、転勤が終わった後に再び住めば控除を受けられます。

 次に、マイホームを買った時点では合計所得金額が3000万円以下でも、途中で所得が増えて3000万円を超えてしまったら控除は受けられません。
 また、住宅ローンの返済期間は控除期間中ずっと10年を超えている必要があります。繰り上げ返済などによって返済期間が短縮して10年未満になると、控除が打ち切られてしまうのです。
 いずれも最初の時点とは状況が変わることで、適用の有無が変化する可能性があることを知っておきましょう。

親からの資金援助を活用できる「相続時精算課税制度」

 マイホームを買うときに親から援助を受けた場合に利用できる特例が「相続時精算課税制度」です。親族間でも贈与を行うと贈与税がかかりますが、この特例を使うと、最大3500万円までの資金を無税で贈与することが可能になります。通常の贈与税(暦年課税)と相続時精算課税制度の違いを図3にまとめてみました。

図3.相続時清算課税制度と従来の贈与税の違い

 相続時精算課税制度は、65歳以上の親から20歳以上の子どもに贈与する場合、特別控除額の2500万円以内なら贈与税がかからないというもの。
 子どもが家を買うための資金を贈与する場合なら、特別控除額が1000万円上乗せされて合計3500万円まで無税で贈与できるのです。また、その場合は、親の年齢は問いません。
 特別控除額を超えた金額については一律20%の税率で贈与税がかかりますが、通常の贈与税の最高税率50%に比べれば大幅に低い水準といえるでしょう。

 仮に、4000万円を住宅取得資金として贈与した場合。
 相続時精算課税制度の場合は、贈与税は100万円。3500万円を超えた500万円分に対して20%の贈与税がかかるからです。
 通常の贈与税は、1720万円。基礎控除額110万円を差し引いた3890万円に対して最大50%の税率がかかるからです(*)。贈与した金額の半分近くが税金で消えてしまう計算になります。
 相続時精算課税制度のほうが有利に生前贈与できることがわかるでしょう。

*1000万円を超える部分に50%、1000万円以下の部分については段階的に10%〜40%の税率がかかる。

十文字先生

 ただし相続時精算課税制度を使うと、相続が発生した段階で、相続財産に対して贈与財産が贈与したときの時価で合算される点に注意してください。これによって、生前贈与しなかった場合より相続税が増えるおそれもあります。
 また、住宅ローン控除も相続時精算課税制度も適用を受けるには申告が必要です。

 以上、2回に渡って、マイホームを買うときの税金について解説してきました。どんな税金がかかるのか、税金が安くなる軽減措置はあるのか、その条件は何か、その他に活用できる特例はないか・・・もれなく把握したうえで間違いのない資金計画を立てるようにしましょう。



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