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失敗に学べ! 住宅ローンの落とし穴 その5
キャンペーンに乗ったツケが3年後にまわってきた!
「優遇キャンペーン」と聞くと、なんだかトクした気分になりますよね。金利が少しでも低くなるならありがたいと、飛び付いてしまいそう。優遇期間の返済負担は軽くなるし、支払う利息も少ないし。でも、あとさき考えずに安易に乗っかると・・・
情報提供日/2008年5月28日
Shippai File.5
「ここまでスイスイ返済できてたのに、あっという間に、おトクな優遇期間が終わり。これから大変そうだなぁ・・・」 「ここまでスイスイ返済できてたのに、あっという間に、おトクな優遇期間が終わり。これから大変そうだなぁ・・・」

 金利1.25%のローンを選択した富田さん。
「子どもが生まれて妻は仕事を辞めていましたし、とにかく毎月の返済額を少なくしたかったんです。返済は毎月7万3520円。広さを考えると周辺の家賃相場よりずっと安いです。でも、それまでが月額1万円の社宅住まいでしたから、ローンの負担はずっしり」。
 そして3年後の今年、金利が1.25%から2.875%に。返済額はなんと約2万円のアップ。富田さんは家計の見直しを迫られています。

1%台の優遇金利に飛びついた
図3.固定金利期間選択型のしくみ

 3年前、富田さんは長女の誕生と同時に新築マンションを購入。妻が仕事を辞めて収入がDINKS時代の約半分になっていたこと、教育費など子どもにかけるお金は惜しみたくないと思ったことから、住宅ローンは毎月の返済額ができるだけ少なくなるものを選びました。

「金利が低ければ低いほど、毎月返済額が少なくなるというので、選んだのは固定金利期間選択型の3年もの。当時の金利は1.55%でしたが、給与の振込口座をその銀行に作るなどの条件で金利が優遇されるので、実際に適用されるのは1.25%。こんな低金利を使わないのはもったいない!って思って、他のローンは考えもしなかったんですよね」

図4.金利優遇キャンペーンの影響

 当時、変動金利型住宅ローンの金利は2.375%。その場合、毎月返済額は約8万7707円になります。
「金利1.25%なら毎月返済額は7万3520円。毎月1万円以上違うんですよ!」
 と富田さん。1.25%の金利が適用になるのは、当初の3年間だけで、4年目以降は金利が上がる可能性がある、ということはわかっていたものの、当時はとにかく「返済額をできるだけ少なくする」ということにばかり気をとられていたのだとか。

富田さんの資金計画1


 そして、3年間はあっという間に経過。固定金利は3%台に、変動金利は2.875%に上昇していたのです。

毎月約2万円の負担増。ローンが家計をさらに圧迫
富田さんの資金計画2

 固定金利期間選択型の住宅ローンのルールは、固定金利の期間終了後、その時点での変動金利が適用になるもの、変動金利か固定金利(期間選択型)を選べるものなど、金融機関によってさまざま。富田さんが借りたのは選べるタイプ。とはいえ、もう金利の優遇はないため、どちらを選んでも金利がアップすることに変わりはありません。

「できるだけ低いほうをと思い、2.875%の変動金利を選びました。それでも返済額は9万2712円に。まさかこんなに増えるなんて・・・」

 ローンを借りた3年前と比べ、年収は10万円アップにとどまっています。また、これからは子どもの幼稚園費用など、さまざまな出費も予想されます。
「これまでだって、貯金もあまりできないぎりぎりの家計だったのに、月々の出費が2万円近くも増えるのは正直きついですね」
 と富田さんは頭をかかえています。

今月の教訓
・目先の金利に惑わされず、冷静にローンを選ぶべし
・将来、金利が上がっても無理なく返済できるかを、借りる前に検討しておくべし

 その後、富田さんは親から約400万円の贈与を受けて、4年目以降の毎月返済額が約7万6700円になるように繰り上げ返済を行い、家計の破綻を防ぐことができました。

図6.優遇金利や固定金利期間選択型の利用が向いているのはこんな人

 優遇金利はたしかに魅力的。短期の固定金利期間選択型の場合、2%前後の金利になるものもあります。注意したいのは、優遇金利が適用になるのはいつまでなのか、ということ。固定金利期間選択型の固定期間のみの適用であれば、富田さんのように固定期間終了後、返済額が大幅にアップすることもあります。金融機関によっては、完済までの全期間、優遇金利を適用する商品も出していますから調べてみるといいでしょう。

 また、金利がぐんと低い期間は、「特別な期間」と考えて、将来の教育費や繰り上げ返済費用の積み立てに励むなど、上手に活用したいもの。優遇金利が適用された少ない返済額が返済できるギリギリの金額、というような危ない資金計画だけは避けましょう。

(イラスト:パイナップル遠藤)

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