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第11回.シルバー編 その2/住居費の捻出、相続まで視野にいれる
シルバー編の後半、ライフステージ別マネープランの最終回です。定期収入が年金だけになるなど、家計の収支が次第に厳しくなる時期に、どのように住居費を捻出すればいいのか、基本的な考え方を紹介します。
情報提供日/2007年12月19日
自宅居住や二世帯住宅では、預貯金から資金を捻出

 老後の住まいにはさまざまな選択肢がありますが、やはり気になるのは資金について。60歳から85歳までにどの程度の住居費負担が生じ、どう賄うのか。今回も、ファイナンシャルプランナーの紀平正幸さんのアドバイスをもとに考えていきましょう。

 まずは自宅に住み続ける場合です。
 お子さんとの同居をしないケースで、自宅の改修・バリアフリー化などを行なう場合は、500万円程度を見込んでおく必要があります。また固定資産税や細かな補修費用、一戸建てでは庭木の手入れ費用などとして年間40万円程度のランニングコストがかかります。物件によっても異なりますから、実際の金額を把握しておきましょう。
 バリアフリー化の費用は一時的な支出として預貯金などから捻出。ランニングコストは生活費の一部として計上し、年金で賄えるかどうかを年単位で確認します。

 お子さんとの同居で二世帯住宅などに建て替える場合は、資金について親子で話し合う必要があります。一般的に労働収入がない年齢でローンを返済するのは困難ですから、預貯金から捻出できる額を検討。子世帯で用意できる自己資金、借り入れできる額(返済できる額)から建設費の予算を割り出します。

図1.シルバー世代では、どんな費用がかかる?
住み替え費用の鍵は、売却代金+預貯金

 自宅を売却したり、賃貸に出す場合、売却代金や家賃収入が得られます。
 新たに住宅を購入するには、自宅の売却代金(ローンが残っている場合は残債額を除く)と、預貯金から捻出できる額の合計が元手となります。
 年金だけでは生活費が不足する場合は、預貯金を取り崩して生活費に充てる必要があるからです。

 60歳以上の二人世帯における日常生活費は月額約24万円(住居費を含む)、ゆとりある老後を送るには38万円、といったデータもありますが、実際にどの程度かかっているか、どの程度不足するかを明らかにしましょう(シニア編その3参照)。

図2.住まいにかけられる予算はいくら?

 医療費や介護費用も気になりますが、「ご夫婦で1000万円程度」というのが、紀平さんが示す安心の目安です。加入している生命保険などによって、もしもに備えるお金の額も変わってきますから、ファイナンシャルプランナーに相談してみるのもお勧めです。
 マンションを購入する場合は管理費や修繕積立金もかかるため、年間30万円程度、一戸建てでは年間40万円程度のランニングコストがかかることもお忘れなく。

毎月の住居費は年金で賄えるかをチェック

 民間の賃貸住宅に入居する場合は、敷金・礼金・仲介手数料などの一時費用と月々の家賃が必要です。家賃の上限を決めて物件を探すのが賢明でしょう。
 高齢者専用賃貸住宅でも、月額利用料のほか、入居金が必要な物件があります。

 介護付き有料老人ホーム(自立型)や住宅型有料老人ホームに入居する場合は、入居金と月額利用料がかかります。入居金は施設によって大きく異なり、数百万円から1億円を超えるものまで、千差万別です。月額利用料も十数万円から三十数万円とまちまち。入居金、月額利用料とも、いくら充てられるかを考えるのが先決です。

贈与や相続についてもあわせて検討

 住まいについて考える際、合わせて検討したいのが、お子さんへの贈与や相続です。
 お子さんがマイホームを取得する際、また二世帯住宅に建て替える際などは、贈与を行なうケースもあるでしょう。

 年間110万円を超える資金援助を行なうと贈与税の対象となりますが、贈与税の負担を軽減する方法として挙げられるのが、「相続時精算課税制度」です。これは2500万円までの贈与であれば、その時点では贈与税が課せられず、相続が発生した際に相続財産に含めて相続税の対象とする、という制度です。

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 相続税には一定の控除があり、その範囲に収まれば相続税もかからず、実質的に税負担なしで贈与を行なうことができます。
 ただし相続財産が多いと相続税が重くなることもありますから、利用する場合は専門家に相談するなどの慎重さが求められます。

 年金の満額支給が始まるなど、変化の大きい65歳を節目に、どんな暮らしがしたいか、資金面はどうかなど、大きな視野で考えてみてはいかがでしょうか。


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