

住宅金融支援機構が、民間住宅ローン借り入れ者を対象に実施した『平成19年度 住宅ローン利用に関するアンケート調査(第1回)』を基に、今、住宅ローンがどんな利用のされ方をしているのか紹介しましょう(図1〜5までは、同調査を基に編集したもの)。

まず、図1をご覧下さい。3つの金利タイプ、変動型、全期間固定型、固定期間選択型のうち、何を選んでいるかを、借り入れ時期別に示したものです。
これをみると、もっとも多いのが固定期間選択型。次いで全期間固定型、3番目が変動型となっています。ここ1年間、その順位は変わっていませんが、割合は変動しています。
金利が上がりそうな気配が高まってきた今年に入ってから、固定期間選択型を選ぶ人の割合が減って、逆に全期間固定型が増えてきました。やはり、金利が上昇傾向と見て、長期固定型で返済計画を安定させたいという傾向が高まっているようです。

意外なのは変動型の割合も少し高まっていること。固定型と変動型の金利差はまだ1%以上ありますから、それほど急激に金利が上がらないと見て、今の低金利を享受しようという意向かもしれません。
また、もっと上がりそうなった時点で固定期間選択型に切り替えるといった機動的な動きができる人が、変動型をセレクトしているといえるかもしれません。
固定期間選択型の中でも、長めの期間を選択するケースが増えています(図2参照)。以前は、圧倒的に3年固定が多かったのですが、最近では10年固定が増加。07年4月時点では、10年固定が3年固定よりも多くなって、トップになりました。
固定期間選択型の中でも短期固定から長期固定へ、さらに固定期間選択型より全期間固定型へ、より安定性の高い金利タイプを選ぶ傾向が高まっていることがわかります。
金利と並んで返済額を左右するポイントの一つが返済期間です。同じ借入金、同じ金利なら返済期間を長くしたほうが返済月額は低くなります。ですから、なるべく長期にして返済負担を軽くするのが一般的。
ただ最近では、全期間固定型の中でも、返済期間が短いほど金利も優遇される商品を扱う銀行も出てきました。また返済期間を短くすると、返済月額は多くなりますが、利息は少なくて済みます。返済期間を短くしたときの返済月額でも支払い可能ならば、短期返済を積極的に活用するのも賢い選択のひとつ。

こうした背景があるためか、設定する返済期間も多様になってきました。図3を見ると、ほぼ半分は最長返済期間の35年ですが、20年や25年など、短い設定も少なくありません。少数ですが10年以下というケースもあります。
ちなみに、全期間長期固定がうたい文句のフラット35の場合は、ほとんどの人が35年返済をセレクトしています。フラット35では、返済期間を短くしても金利は変わらないからです。この10月から返済期間に応じた金利設定をする新メニューが登場しますから、今後はやや変化が出てくるかもしれません。
次に、ローンの借り方について見てみましょう。一般的には「頭金は価格の2割」といわれます。残り8割を借り入れるということです。この2割という水準には議論がありますが、多少なりとも頭金があったほうが望ましいというのは間違いありません。

図4を見ると、70%以上の人が頭金を用意しており、上記のセオリーにしたがっていることがわかります。しかし、4分の1近くの人が購入価格の100%をカバーする全額ローンにしています。さらに、諸費用などを含めて、価格以上のローンを組んでいるケースも、わずかですが存在します。
ちなみに全額ローンを利用する割合は、年収が低いほど高くなっています。年収400万円では、「頭金あり」が6割強、全額ローンが3分の1を占めています。

返済計画の安全度を図る指標のひとつ、返済負担率は20〜25%以内が望ましいといわれています。実際にはどうでしょうか(図5参照)。
全体の8割以上はこの安全圏に収まっています。さらに10〜15%以内というきわめて堅実な人も少なくないようです。
またわずかですが、40%以上というケースも見られます。返済負担率は税込み年収をもとに計算していますから、手取りに換算すると、50%を超える可能性が高くなります。収入の半分以上をローン支払いに回すというのは、かなり危険な水準といえるでしょう。

さて、この調査では今後の金利動向の予測についても聞いています。やはり「現状より上昇する」という答えが半数以上という結果でした。もっとも「少し上昇するが、気にするほどではない」という人も3分の1を占めます。
少数派ながら「ほとんど変わらない」「短期金利は上昇しても、長期金利はさほど上昇しない」という人もいます。こういった見方の違いも、冒頭の金利タイプの選択の差となって現れているといえるかもしれません。
これらの調査結果を参考にして、資金計画に関する考え方を整理してみてはいかがでしょうか。
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